ななはち文庫

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夢日記 第一夜

前書き

この夢日記は、私が夢を見て、かつ、覚えている範囲で書き起こすことができた範囲の内容である。

 

 

 

ーーーー気がついたら、大きな研究施設のような場所にいた。おそらく、かなり有名な大学なのだろう、と思った。

 

何故か何者かに追われているらしく、私は走っていた。長い長い廊下を抜けると、他にも逃げている仲間がいることを思い出した。

 

他に逃げている仲間は、どうやら何人か捕まっているようだった。現実にはそんな名前の友人はいないのに、何故か「タクヤが捕まった」ということだけは認識していた。

 

タクヤ」はリーダー格で、身体能力が高く信頼にも厚い(という設定)を思い出し、私は急に不安に襲われた。「タクヤが捕まったのだから、私も捕まるだろう」と確信した。

 

走っていても、何故か疲れない。スタミナという概念が消え去ったかのように私は長い間、かなりのペースで走り続けた。その間、廊下から階段、研究室のような部屋、音楽室のような部屋、体育館のような空間を通過したが、全くヒト(及び、動く物体)に会うことは無かった。

 

しばらく走っていると、「自分を追跡するものは、どんな姿をしているのだろう?」という好奇心が生まれてきた。

しかし、「追跡者」の姿は依然として見ることは出来ず、ただただ、自分が走っていると後ろから追い掛けている足音が聞こえるだけであった。

 

不思議と不気味には思わず、ただただ好奇心が生まれた。足音はするのに、実態はない。これは、幽霊の類なのではないか、と思い胸が高鳴るのを感じた。恐怖を微塵も感じることなく、「幽霊」を捜索する意志が固まった。

 

「追跡者」は私の中で「幽霊」になり、私が「追跡者」となり、「幽霊」を追いかけ始めた。

 

私が踵を返し、足音のする方に走り始めると、逃げるような足音が聞こえた。

どうやら「幽霊」は私から逃げているようだった。

 

「追跡者」になった私は楽しくなり、夢中になって幽霊を追いかけ回した。どこまで走っても、やはり疲れることはなく、足音は止まなかった。

 

廊下を走っていくと、突き当たりにシャワールームがあり(正確には、「シャワールームはこちら」という張り紙が見えた)、幽霊を遂に追い詰めたことを直感した。

 

足音がシャワールームに吸い込まれ、足音が止んだ。私は胸が躍った。遂に幽霊の正体が分かると思い、走るのをやめ、歩きながら、ゆっくりとシャワールームに近づいた。

 

恐怖を一切感じることなく、まるで純粋無垢な子供の興味だけを掻き集めたような好奇心で、ゆっくりと左目からシャワールームをのぞき込むと、そこには

 

身長180cmを超えた大男が、ドーナツを持って立っていた。

顔はで出来ていた。

 

 

私は「幽霊」の正体を目の当たりにした瞬間に全身の毛が逆立つような恐怖を感じ、「ヤバイ」と直感し踵を返し走り始めた。以前の倍以上のスピードで、その場から逃げる確固たる決意をした。

 

すると、また、後ろから足音が聞こえてきた。私の速度を上回るほどの「ダッダッタッ」という力強い足音に更なる恐怖を覚え、私は全身に目一杯力を込め、加速した。

 

そんな中、「踵を返す」という行為が「追う者」と「追われる者」の役割を変えるということに気付いた。というより、以前タクヤが言っていたような気がしていたことを思い出した。

 

しかし、「幽霊」の正体におぞましさと気持ち悪さを感じた私は、もう振り返りたくないと既に心に決めており、選択肢は「前を向いて逃げる」ことのみに限定されていた。

 

全力で走る中、トイレがあったことを思い出し、個室に立てこもろうと企てた。

案の定、その企てを閃いた後すぐにトイレを発見し、私は一目散にトイレの個室に駆け込んだ。

 

鍵をかけようとすると、外から開けようとする強い力が働いていることに気づき、全力で鍵をかけ、息を切らし、その場に座り込んだ。

 

しかし、このままではマズイという感覚に襲われ、どうにか脱出しようと、周りを見渡した瞬間、目の前に「全身が藻に包まれた優しそうなオジサン」が現れ、何故か安心感を覚えると、

 

急に睡魔に襲われ、

 

 

そこで目が覚めた。